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どう生きるか『キリマンジャロの雪』


マルセイユに住む結婚30年になる夫婦、ミシェルとマリクレールは

善き仲間に囲まれ穏やかに暮らしていた


ところがある日、夫がリストラにあい、強盗に押し入られる事件まで起こってしまう…


『キリマンジャロの雪』


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いやあ〜良い映画だったなあ〜本当に


如何に自分の信じる生き方を貫くか


相手に理解してもらおうとか、

人の考え方を変えようとか、そういう気持ちはなくて

もちろん、

自分が犠牲を払うのだから他者にも犠牲を払うことを求める

みたいな気持ちも一切ない


愛を注ぎ続ける生き方をただそれが良いと思うから行なうだけ


その尊さが全ての人に等しく伝わることはないけれど、

信念を貫くと困難や金銭的不利を被ると分かっていても貫いた

その人だけに感じることのできる何かがある



しかし、泥棒の気持ちもよく分かるよ

"公平さ"は人の立場に依って変わる

同じ人間に対し、自分がどのような立場に立って考えるかによって

その人がヒーローにも、自分勝手なお金持ちにも見える



ただ、大事なのは、この泥棒の気持ちや見解に与する点もあるが、

泥棒の立場に立ってしまっては、夫婦の気持ちは理解出来ない

偏った見方に固執してしまうし、善意を感じ取ることが出来なくなる


夫婦の立場に立つと、泥棒とは違う立場にいながらも

相手の気持ちを理解することはできる

この差はとても大きい

出来れば、共感せずとも理解はできる立場にありたい


泥棒と夫婦、理解し合うことはないかも知れないが、

夫婦は自分たちの思う方法で善意を尽くしていく

熟年夫婦が主人公なのが良かったなあ

信じる生き方、そういう部分を共鳴できる相手がいるって本当に良いな




夫ミシェルに対し、妻マリクレールはサブ的なポジションだけど、

彼女のセリフや怒った後にちょっと微笑む様子とか、素敵

旦那さんの浮気を疑う娘にアドバイスするシーン、良かったなあ

自分の人生は、自分で選ぶことが大事




お話も、音楽やマルセイユの風景も綺麗で久々に感動しました



特に、暖かい日差しが降り注ぐマルセイユ

高台に建つ一軒家のテラス

これを観るだけでも大変な価値あり

理想的なテラスだった
by 96770 | 2014-05-31 21:52 | シネマテーク
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