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天使の涙



シネマート心斎橋にて王家衛(ウォン・カーウァイ)監督特集、上映中


香港に漂いすれ違う若者たちを描いた名作

『天使の涙』


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これはかなり美意識高まります


よく分からない。それがとても琴線に響きました



アジア圏の映画ではあまりないかんじの、

ジム・ジャームッシュを観て「なんかよく分かんないけどかっこいいー!」

って思うのと同じ気分でかっこいい!



金城武の格好良さは衝撃的、度肝を抜かれました

ちょっと頭可笑しい人で、

みんながこっちの世界で生きてる中、

ひとり違う舞台で勝手に主役を生きているような

そんな、格好良さ!

軽やかで、達観していて、脳みそが陽気



ところで、

一昔前までずっと将来はフランス人になろうと思っていたのですが、

映画『DIVA』を観て以来、美意識が180度転換。

DIVAに出てくるベトナム人のアルバちゃんがセンス良くって

ああ!これがアジア人にしかない魅力か!とクリーンヒット

そのセンスも自分の持っている魅力を全面に生かしていて

彼女にしか出せない空気を漂わせている

いかに自分の美意識が欧米化されていたことか。

足が長くて九頭身で目鼻立ちすっきりのその辺のパリのモデルには

絶対に出せない魅力がアジアにはある!


これ以来、魅力的なアジア人及びアジア的美意識を研究中


今日は『天使の涙』を観て、ウォン・カーウァイ監督の美意識に震えました

配色もファッションもセリフも街のネオンも雑踏も音楽の合わせ方も

そしてなんと言ってもスクリーンから出てくる圧倒的な熱気も




勉強になりました
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by 96770 | 2013-07-25 23:37 | シネマテーク

『最初はみんなゼロだった』を読んで

素敵なブログを発見!


日曜日の『グッと地球便』が大好きな私には堪らない


もう更新されていないのですが、読み返して愛読中です

パリに住む日本人クリエーターや芸術家にインタビューしたブログ


“最初はみんなゼロだった”



これを読むと人生に働く素晴らしい力をかんじて

やっぱり人生って良いなと思います

なぜって、

とんでもなく困窮して、普通ならそこで諦めるんじゃない?というところで

諦めず自分の道を追求していく人には、

人知を越えた予想外の助けが届く



お金を削り身も削り睡眠時間を削っても、止められない

傍目には辛そうなのに、そこに悲壮感が一切ない

やらずにはいられないこと


そういうものを見つけられることが人生で最高のことだなと思います



でもそれは特別なことではなくて、

誰の人生にも用意されているもの



このブログには、自分の道に気づき求めてそれを選択した人たちの

紆余曲折の人生が集まっています




小さい頃から好きだったことを続けてきたタイプの人って多いけど、

私は全くそういうタイプじゃないのであまり共感できない


しかしこのブログに登場するのは、やりたいことが

ふとしたきっかけで突然見つかった人、

いろんなことに手を出していっつもすぐに辞めていた末にようやく見つけた人、

全く違うことをしていてそれを諦めたときに見つかった人、

いろんなタイプの人たち


"いかにも"な成功セオリーから外れている人がいるのが良い

例えば作家さんの連絡先を手に入れて、すぐに連絡をとったら採用!

なんてことは無く、躊躇しているうちに2年たってしまったり



そこがとても面白く読めるところ


みんな良い意味で普通の人、最初はゼロだった


スッスッとスムーズに進んだ人は少なくて、

迷ったり大きな失敗をしたり回り道になってしまったり

人間味があって、てらいが無くて


だから明日の自分の生き方の参考になります



最初はみんなゼロだから、まだゼロでも大丈夫!
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by 96770 | 2013-07-23 21:36 | 日記

スパニッシュアパートメント



かれこれ10年近く、マイ・ベストシネマランキングトップに君臨し続ける映画が、

『スパニッシュ・アパートメント』


フランスの学生、グザヴィエは就職に有利だと勧められ

1年のスペイン留学へと飛び立つ

バルセロナの街で、国籍も性別も違う仲間たちとの共同生活が始まる


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これが私の理想の生活!


とっても好き

クラピッシュ監督とは岡本太郎の次に趣味が合うみたい

グザヴィエの感覚があんまりにも自分とぴったりきて驚く


お役所手続きの複雑さに

「なぜ世の中はこんな混沌と化したのか」

落ち込んでテレビを眺めながら

「他人の人生はシンプルで論理的にみえる」

アパートの住人による面接の時に言い争う住人たちを見て

「昔からここに住んでいた気がする こんな言い争いに子どもの頃から憧れていた」


そして耳慣れない通りの名前を"記憶に残る名前リスト"に加える



感性やセンスや美意識の面で人と共感できることってなかなか無いものだけど、

この映画を観ると、他者から理解された気持ちになる

私の大事な映画



アプローチの仕方は異なるけれど、

岡本太郎の著書『今日の芸術』と

セドリック・クラピッシュ監督の『スパニッシュ・アパートメント』は

我が人生の一冊と一本

いつでも帰れる、心の拠り所になる本や映画があることは

とても贅沢な生きる楽しみ




確か初めて観たときは

カタロニア語とアイデンティティについて学生仲間で議論しているシーンを観て

私もこんな会話がしたい!と思った

みんな自分のアイデンティティというものがあって、主張し合うところが良い

共同生活している仲間も仲が良いが"個人"であってべたべたし過ぎないところが良い



異国の地で色んな国の人たちと共同生活をしたい



この映画を観ると自分の原点に返ることができます

自分が目指しているものを改めて思い出させてくれる



ラスト、素晴らしい

筋書きの無い未来へ
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by 96770 | 2013-07-21 00:22 | シネマテーク

DOWN BY LAW


刑務所で出会った3人


はめられたポン引きジャック(ジョン・ルーリー)

騙されたDJ、ザック(トム・ウェイツ)

変わり者のイタリア人旅行者ロベルト(ロベルト・ベニーニ)


うだつの上がらない刑務所生活から逃れるべく、脱走する


『Down By Law』   監督 ジム・ジャームッシュ


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ジム・ジャームッシュ監督は、ただのお洒落気触れじゃなかった


白黒でラフな映像、ふとしたセリフの哲学っぽさ

トム・ウェイツとジョン・ルーリーの演奏に服の着こなし、気怠さに佇まい

それだけでストレンジャーザンパラダイス的お洒落映画になるところへ

イタリアの天才、ロベルト・ベニーニを突っ込んでくる

このバランス感覚の良さ!



ロベルト・ベニーニの魅力がいかんなく発揮された映画です

お洒落さも、全部、

彼が登場したとたんベニーニを中心にぐるぐると回り出し吸い込まれる

ナチュラルな奇人っぷりで、

全部蹴飛ばして笑いにもっていってしまう

ジム・ジャームッシュ監督の映画でお腹抱えて笑ったのは、これが初めてです



とにかくベニーニが魅力的

覚えた英語のフレーズを胸ポケットに入れたノートにつけているのを見て、

私も最近覚えたイタリア語を手帳に書きました

イタリアに行ったらベニーニみたいに辺り構わずとんちんかんなことを言っていたい

一人旅における最高のセルフディフェンス、かも
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by 96770 | 2013-07-15 12:20 | シネマテーク

最強のふたり



もはや言わずと知れた名作!

『最強のふたり』


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腫れ物に触るかのように関わるのは

優しさではなく自己防衛ですね


ドリスに『カッコーの巣の上で』のジャック・ニコルソンに通ずる人間味の良さを感じました

人間と人間の人間らしい関わり



はき違えた気遣いや、思い上がった優しさを笑い飛ばし

アースウィンド&ファイアーの軽快な音楽にのせて生きる!




いつか  "健常者用チョコレート" って言える、そんな人になりたいものです
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by 96770 | 2013-07-12 21:06 | シネマテーク

スタンリーのお弁当箱



歌も踊りもスターもいない!90分のインドミニシアター



家庭の事情でお弁当を持って来れないスタンリー

お弁当を持って来ない彼に気づいた友だちたちが、

お弁当を分けてくれることになったのだが、

食い意地の張ったヴァルマー先生は、スタンリーを

みんなのお弁当にたかるネズミ!と罵り、

お弁当を持って来ないなら学校に来る資格はない!

とスタンリーを追い出してしまう

その日からスタンリーは学校に来なくなってしまい…


『スタンリーのお弁当箱』


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まあまあでした!

スタンリーをいじめるヴァルマー先生の心情がイマイチ分からず、

そのわりにコロッと悔い改める辺りの気持ちの変化も

もう少し詳しく教えて欲しかったです



スタンリーの環境は結構大変で、

でも友だちと仲良かったりダンスに目覚めたり

大変さも得意のホラ話でみんなの笑いに変えちゃう


毎日楽しく過ごすのに必要なのは、何かハマっちゃう面白いことと、

友だちと優しい人とちょっとのご飯ぐらいで

それぐらいあると後は大変しんどくて寂しくても生きていけるなあと思いました



夜、働くスタンリーのバックに流れる音楽の歌詞が、

 “良くも悪くもこれが我が家〜♪"

だったところに、インド的包容力と懐の深さをみました



大変さから這い上がる物語でも、堪える健気な物語でもないところが良かったです
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by 96770 | 2013-07-09 21:17 | シネマテーク

インドの樹、ベンガルの大地


西岡直樹さんが滞在したインドの町、インドの人々と過ごした日々を綴る


『インドの樹、ベンガルの大地』

   著 西岡直樹

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インドの土地の人々に紛れ込み、淡々と生活を書き留める

穏やかさが良い



インドの職人さんに布を作ってもらい、日本でデザインし、販売している日本人の方に

「インド紀行本と言うと、やれ騙された、こんなにぼったくられた

みたいな本が多い

でもこの本は違う。この本を読んでインドに行くことにしました」

と教えてもらいました



とても良い本です



なにを通してものを見、考えるか

例えばカミュは少年時代のサッカーから人間と社会について学んだと語っていました

妹尾河童さんは14種類もの言葉が書かれたインド紙幣をキーワードに、

異なるものが異なるままに混沌と共存しているインド社会に分け入って行きました


西岡さんは植物を通して世界を見ています

"植物"という視点が、新鮮

簡素な暮らしをしている人たちの中に、

"人手にかかるまえの原種の草花のような、健全で明快な美しさ"

を見たりする

町や道、風景の描写の中にたくさん植物の名前が出てくる

私は植物の名前を言われてもどんな樹なのか花なのか全く浮かんで来ないけれど、

西岡さんの記憶のワンシーンワンシーンには植物がセットになっている

同じところに行っても見ているものが全然違って面白い



著者はインドの大学に留学経験があり、古くからの友人たちがインドにいます

通過して行く中で出会う劇的な交流とはまたひと味違った、

この本には時間をかけて結ばれた信頼関係があるからこそ見せてくれる、

生活する人々の姿がありました



読む価値有る一冊です
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by 96770 | 2013-07-08 22:47 | 書店

グランド・マスター



ウォン・カーウァイ監督が、

ブルース・リーの師匠として知られる伝説の武道家・葉問(イップ・マン)の人生を描く

中国歴史カンフーアクション大作



八卦掌を極めたパオセンが引退を表明

カンフー全ての流派の頂点に立ち、南北統一の命を受け継ぐのは

形意拳のマーサンか奥義六十四手を受け継ぐルオメイか

詠春拳のイップ・マンか、八極拳を操る謎の男"カミソリ"か…


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ウォン・カーウァイ監督に大・期待して観てみたら、

なんじゃこりゃー!

全然面白くなかったです


アジア的極彩色、キッチュでビビッドで妖艶な色彩感覚が素晴らしい監督が撮るカンフー

その辺りとても楽しみにしていたのに特に美しくなかった


主演トニー・レオンは、カンフーの技だけでなくその精神をも身につけるため

イップ・マン最後の直弟子さんから直接4年間のトレーニングを受けて鍛え上げ、

"カミソリ"役のチャン・チェンは中国の八極拳全国大会で優勝する腕前の持ち主

そんな力の入りようなのに、格闘シーンでの映像加工やカメラワークが巧み過ぎて、

なにが起こっているのか分からない!

もっとシンプルに見せて欲しかった


ブルース・リーや初期のジャッキー・チェン映画みたいな

体を張ってる人間そのままなアクションシーンの方が好きです



さらに、取材・構想に8年、撮影に3年を費やし完成した大作なのですが

勇んでいろんな要素を盛り込み過ぎたのか、

話が広がって来たと思ったら突然エンドロールでびっくり

結局なんの話なのか、誰の話なのか、"カミソリ"はなんで出て来たのか

なにも分からないまま最後にカンフーの精神をちょこっと語られて終わりました

これじゃあカミソリさん出て来た意味がなかったし、

アクションも魅せどころがなかったし、人間模様も書き切れてないかんじ

せっかくだから、5時間ぐらいの映画にしたら見応えがあったかもしれないです



う〜ん、期待し過ぎたのかなあ
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by 96770 | 2013-07-06 19:37 | シネマテーク

謎の写真家 ビビアン・マイヤー



ある日、ある男性が、偶然オークションで落札した大量のフィルムを現像してみると、

アメリカの日常を切り取った美しいドキュメンタリー写真がたくさん!

彼はネットに掲載して撮影主を探しました

そしてついに見つかったのが、

シカゴで長年住み込みのベビーシッターをしていたビビアン・マイヤーさん

ところが彼が会いに行くと、彼女は数ヶ月前に亡くなっていた…




2007年にオークションでフィルムを落札したのが John Maloofさん

彼がネットに掲載したことで写真が話題となり、

ビビアンさんの個展が開催され写真集も出版されています



ビビアンさんは独学で写真を学び、休みや休暇になると写真を撮っていました

10万枚ものネガが残されているのですが、

しかし生前は誰にもその作品を見せなかったそうです



彼女のドキュメンタリー精神は大量の写真だけでは飽き足らず、

多くの映像や録音も残しています

その自由で壮大な精神のせいで、どんどん貧しくなっていったのですが

後年はベビーシッターとしてお世話をしていた子どもたちが養ってくれていたそうです




Vivian Maier (February 1, 1926 – April 21, 2009)


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人生は小説より奇、なり



VIVIAN MAIER さん HP
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by 96770 | 2013-07-03 23:44 | ギャラリー

ストレンジャー・ザン・パラダイス



ニューヨークに住むウィリーのもとへ、

ハンガリーから従妹のエヴァがやってくる


『ストレンジャー・ザン・パラダイス』
  
   監督 ジム・ジャームッシュ


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エヴァがかっこいい

服装に本当に無頓着でかっこ悪い人と、

無頓着なのに雰囲気のある人の違いはなんでしょう

その辺にあるものを適当に着てるエヴァがギリギリ素敵

なんせ男性主人公の映画の中で、あんなに自立していて

根が媚びていない気怠い女性は、初めて!

作戦的にあえて媚びない私を演じてるんじゃなくて。


およそ映画のヒロインらしからぬエヴァ

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスが彼女の神様

誰も連れて行ってくれないなら一人で行ってしまう


ジム・ジャームッシュは女性の好みが良さそうです



ラスト、エヴァはやっぱり戻って来た、と考える方もいるみたいですが、

私は1泊してパリに行くことにしたのだと思います


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ウィリーを演じるジョン・ルーリーもその友人のエディもお洒落

映像は切り取るとそのまま素敵な白黒写真の作品になりそう

心の動き、会話、居心地の悪さが自然で、

仲良い友だちたちとそのまま作ったような空気も洒落た映画です
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by 96770 | 2013-07-01 11:54 | シネマテーク