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カイロの紫のバラ



ちょっととんまで善良な女性シシリア

仕事はすぐにクビになり、夫は遊んでばかりでお酒を飲むと暴力を振るう毎日

そんなシシリアの愉しみは映画

ある日大好きな映画を観ていると、

映画の中から憧れの冒険家トムがスクリーンを飛び出して、シシリアのもとへやってくる!

映画館はパニック!ハリウッドは大騒ぎ!


『カイロの紫のバラ』

    監督 ウディ・アレン


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映画の中の理想の人が現実世界にやってくるなんて永遠の夢!

と思っていましたが、映画の中では正義の味方でも

現実世界では、世間知らずのおとぼけ野郎になってしまう


お金の心配はないよ!と言ってポケットから出す札束はもちろん撮影用の偽札

ロマンチックなセリフは得意でも社会生活能力はない

でも、誠実さと愛だけは本物


現実世界はかくも悲しく厳しい




映画の世界と現実の世界は別物で

現実が映画になることはない

けれど、映画のお陰で現実が変わることは、ある

映画万歳!


そしてシシリアは今日も映画に希望を見るのです
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by 96770 | 2013-06-29 17:03 | シネマテーク

『幽霊たち』



私立探偵のブルーは、ホワイトからブラックの見張りを依頼される

ブラックを見張るブルー

何かを書き続けるブラック

かくして物語は始まる


『幽霊たち』

   著 ポール・オースター


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これはすごい!こんな小説読んだことない


なんのことか全然わからない、でも文章は簡潔で明快

さっぱり分からないのに、それでいて圧倒的吸引力で惹き付けてくる作品です



なにも起こらず状況は変化しないのに、主人公ブルーの思考によって変化が起こってゆく

そしてこちらまで主人公と共に思考することを強要され、

人間の頭のなかに沈み込まれていく



平均台の上を歩いているみたいで、フラフラとしていて不安

それなのに止まれず、どんどん進んで行くと

いつの間にか心地よさが生じる


これは大変面白いです

古い本なのに、未知の次元に着てしまいました




翻訳の柴田さんが巧い

良い味出してます
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by 96770 | 2013-06-29 16:39 | 書店

" I FEEL IN MY HEART " by Talking Heads

最近のお気に入りは TALKING HEADS の " I FEEL IT IN MY HEART "

no no no... と叫ぶところに妙に心惹かれ、歌詞も調べました

[Nothing but]flowers でも抜群のセンスの良さとウィットに富んだ詩的表現で

魅了してくれたデヴィッド・バーンさんですが、今作もなかなかです

訴えかけ方のセンスが良い


多少の訳ミスはご愛嬌、全然違う場合は教えて下さい



" I FEEL IT IN MY HEART "   作詞作曲 DAVID BYRNE

Ohhh dear                    おや、まあ
What if everything they say is true?       もし彼らの言う事が全部正しいとしたら? 
Ohhh, ohhh dear                やれやれ
Then there won't be anything for me and you   だからって僕と君にはなんの意味もない

Well                      じゃあ
Even if we have to start all over again      たとえば人生をやり直さないといけないとして
What will be the point in being a fool again?    馬鹿げたことをもう一度やることに
Even if, even if we have to start all over again  一体どんな意味があるって言うの?
Oh what will be, what will be, what will be
The point in being a fool again?

Oh oh oh...no no no

I made a decision                   僕は決めたよ
Revised it again                   やり直していたら
I saw what it meant to both my parents and friends   両親や友だちにとっての人生の意味は
And I couldn't do it if I had tried            わかっただろう、でも
I couldn't hide my feelings inside           たとえやったとしても
                           僕には出来なかったよ
                         僕には自分の気持ちを隠すことが
                           できない

I say that's not my way, that's not my way      だから言う、それは僕の道じゃない
That's not like me, that's not like me         それは僕じゃない
That's not my way, that's not my way
That's not like me, that's not like me
I couldn't do it, I couldn't do it           できないんだ!
Ohh and I tried, I tried and I tried            やったんだやってみたんだよ
I say that's not like me, that's not like me
That's not my way, that's not my way
I couldn't do it, I couldn't do it
I couldn't try, try try try
That's not my way, that's not my way
That ain't my way

If I feel it in my heart                 たとえ心から理解していてもね
Ohhh ohhh









やっぱりデビッド・バーンは詩人だなあ!

孤独で、でもそれが、ねちっこくないし湿気もないところが好きだし美意識を感じる
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by 96770 | 2013-06-28 22:45 | youtube

きっと、うまくいく




まさにインド版『いまを生きろ』です

インドで社会問題となっている学生の自殺、貧富の差、学歴偏重主義などを絡めつつ

型破りな主人公ランチョーが

情熱に正直に自分の人生を、今を、生きることを

面白可笑しく歌って踊りながら教えてくれます



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自由な主人公ランチョーに対し、丸暗記の秀才サイレンサーが登場し、

点を取るための勉強と学問の違いや、

成功とはそれ自体が目標になるものではなく、情熱の結果ついてくるものだということ、

丸暗記の愚かさなどが説かれます

確かにサイレンサーはお馬鹿さんで、

でも僕はこの方法で成功してやる!と愚直に丸暗記を続けていわゆる"社会的成功"を掴みます

これはこれで我が道を突き通して結構エラいじゃないかと思いました

ランチョーにもサイレンサーにもなれないタイプが大変なんだろうなあと思います




すごく好きなメッセージ満載で面白い

でもちょっと巧過ぎるなあという部分もある

全盛期のアンジャッシュのネタ、みたいな

よく出来てるなあとまず思ってしまうかんじ


インド的インド映画的な混沌無形さはありません

それゆえ、こんなにポピュラリティを得ているとも言える

と言いつつ2回観に行きましたよ

なんといってもやっぱり良い映画なので、ぜひ若い人に観てもらいたい




梅田ガーデンシネマでは2週間限定公開上映だったのがまだまだ上映中!

7月初旬の上映も決まっています

ミニシアター系の劇場では動員数が少ないと

面白い映画でも2,3週間で終わってしまうことが多いなか、

もはやこれは社会現象でしょう

ぜひ!




観て、感動して、よかったなあ、と思って終わりでは勿体無い

映画館には人生を変えるきっかけがいっぱい!
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by 96770 | 2013-06-27 11:32 | シネマテーク

Music for One Apartment and Six Drummers



先日予告編を紹介した映画『サウンド・オブ・ノイズ』

実は

" カンヌ国際映画祭を始め、各国の映画祭の短編部門で賞レースを賑わせた

 『 Music for One Apartment and Six Drummers 』を

 キャスト、コンセプトはそのままに、コメディ、クライム、ロマンスの要素を盛り込んで

 長編作としてバージョンアップさせた意欲作 "

だそうです (サスンド・オブ・ノイズのチラシより)


こちらもなかなか







歯ブラシを使わないなら我が家にも来てほしい力作!
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by 96770 | 2013-06-26 20:42 | シネマテーク

『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』



映画『スモーク』と『ブルー・イン・ザ・フェイス』の原作脚本、

著者 ポール・オースター と監督 ウェイン・ワン のインタビュー、

脚本『スモーク』が生まれる元となった短編小説、映画が出来るまでの紆余曲折などなど

盛りだくさん

これを読んでポール・オースターの人となりが好きになりました


『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』

       著 ポール・オースター


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ウェインが語るはじめて会った日のポール

「僕は真の芸術家に出会えたことを悟った。人間と、人生と、歴史に対して情熱を持った芸術家に。

彼は毎日仕事場で机に向かい、余計な理屈を振り回したりせず、

ものを書く仕事に打ち込んでいるのだ。」



ポールが語るはじめて会った日のウェイン

「ウェインは素晴らしい人物だ。感性が鋭くて、心が広くて、ユーモアがある。

しかも、たいていの芸術家と違って、

自分のエゴを満足させるために創作を行なったりはしない。創作が天職なんだ。

つまり、自分の立場を弁護しなければとか、

自分の宣伝をしなければとかいうことを決して考えなくていいわけだ。

ブルックリンではじめて一緒に過ごしたあの日、僕らは友人になるだろうと、

お互いにはっきりと分かったんだ。」



2人のこの関係

理想であり憧れ


美意識の部分で共鳴し、心からお互いの芸術性を認め合い尊重し高め合える関係

こういう関係は人生生きていてもそうポコポコあるもんじゃない

貴重で崇高な人間関係の美しさに胸打たれました




この前、映画の中でチャールズ・イームズが

芸術家っていうのは人から与えられる称号であって、

自分で芸術家と名乗るなんて、そんなの恥ずかしくて無理だよ

自称天才というみたいなものじゃないか


というようなことを、ちょっと照れながら言っていたのを思い出しました




ウェインとポールの話を読んで、私はやっぱり芸術は

絵を描く小説を書く映画を撮る写真を撮るという行為とその結果生まれるものよりも、

その行為に向かう姿勢や人の佇まいや所作や生き方から立ち昇ってくるものだな感じます



ポールの、余計な理屈を振り回さず打ち込む姿、

ウェインの、立場や宣伝から離れた自分のエゴを満足させるためじゃない創作、

そこに美しさがある




ブルー・イン・ザ・フェイスは、読んでいて

ポール・オースターの目になってみたい!思う、そんな話でした


日常の目のつけどころ、切り取り方が良い。すごく良い





他にもポールが語る映画と小説の違いなんて、こんなピッタリな表現を持ってくるなんて

さすがだなあ〜と唸ります 脱帽

今イチオシ、読みどころ満載の一冊です
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by 96770 | 2013-06-25 22:21 | 書店

『河童が覗いたインド』




初めてこの本を読んだとき、インドではチャイを素焼きのコップで飲んで、

飲んだ後は道に捨てると知って大いに驚いた

どうしてもそれがやりたくて、はるばるインドまで行ったのだけど、

今ではプラスティックかカップ&ソーサーのところが多くて

ようやく素焼きのコップで出してくれるチャイ屋を見つけたときは小躍りしました


ちょっと土の味がするチャイを飲み、

コップは緊張してキョロキョロしながら投げ捨てました

私も随分粋になったなあと、感慨深かったです




ところで1回目は文字が密集してるのでサラッと流してちゃんと読んでいませんでした


今回改めて全文一字一句読んだらどうにもインド熱再沸騰

読み終わってしまうのが惜しくて無理矢理ゆっくり読むぐらい面白かったです


妹尾河童さんがメジャーとえんぴつとスケッチブック片手に這い回ったインドの記録

『河童が覗いたインド』


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私も好奇心の強い方だと自負していましたが、河童さんはダテじゃない


例えば

" 付け焼き刃だったが『アンナードゥライ氏』のことを少し知っていてなんとか助かった "

とか

(知らないとがっかりされるぐらい、マドラスではガンジーと並ぶ高名な人物らしいです)

歴史に大変詳しい上に、古今東西様々なことに関心があるらしく

インドでみつけた○○が日本の□□と似ていて驚いた!とか

道中たくさん驚きと発見があって楽しい


予備知識がないからこそ楽しめることもあるけれど、

知識があってこその面白がり方もあるんだと分かりました

特に遺跡や寺院系は歴史や宗教を知らないと、「大きいな!凝ってるなあ!」

「何百年も前に手作業で建てたってすごいなあ!」ぐらいしか感想が浮かばない

これを読んで河童さんの歴史解説のお陰で改めて驚くことが多々ありました 感心




インド本にありがちな嫌味や重苦しさや押しつけ・押し売り感は全くない

穏やかな文章にはてらいの無いユーモアがあってとても良い

さっぱりしていて目線と思考がニュートラルです




次はムンバイから南の方へ行きたくなりました
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by 96770 | 2013-06-25 00:29 | 書店

『スモーク』

監督 ウェイン・ワン  脚本 ポール・オースター

『スモーク』

ブルックリンのたばこ屋を舞台に、人間模様を描く


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まず映画を観る前に、映画の馴れ初めとポール・オースターの脚本やインタビューを

まとめた『スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス』を読みました

『ムーン・パレス』を読んでオースターすごいな!と思っていましたが、

これを読んで今、空前絶後のオースターブーム到来です



この映画、もともとはオースターがNYタイムズ紙に書いた

「オーギー・レンのクリスマスストーリー」という短編にウェイン・ワン監督が

惚れ込んだのが始まり

本にはもちろん元となった短編も、2人のインタビューもオースターが脚本を書くにあたった

いきさつも書いてあり、これがなかなか良い

こちらの本についてはまた後ほど書くとして、

原作を読んでから映画を観たことはありましたが、脚本を読んでから映画を観るのは今回が初めて


カットしているシーンやちょっと変えてあるところもあって、

脚本と映画は別物でありました


本の中では、時間が速く進むこともあれば、描写を重ねてじっくり時を進める事も出来る

映画の中では、1秒1秒が等しく流れて行く



映画は、音も映像もあるから分かりやすいと思っていましたが、

察して感じる能力が文章より必要になる

その代わり、ストーリーはページをめくらなくともどんどん進んで行くので楽だとも言えます


脚本は(または小説は)、人の性質がたくさんの言葉で描かれている

だからこちらが注意深く読みさえすれば、

登場人物に愛着が湧き、ストーリーにも深入りしてしまう

とくにこの本は、ブルー・イン・ザ・フェイスまで通して読むと、

映画ではちょっとしか登場しない脇役の性格も分かってくるのが読書的楽しみです



例えば "うっかりしちゃう性質" を表現するのに脚本では3シーンも4シーンも書かれているが、

映画では2シーンしかない

本では良くとも映画では説明臭くなり過ぎてしまのでしょうし、映画は時間制限が厳しい

1シーンあるかないかでは人物の性格のイメージが、がらりと変わって面白かったです



でも良い話でした

グッドストーリー感は映画の方が多かった



「私はこれを言いたいんです!」とハッキリ主張してくれる映画が好きですが、

人と人と生活を集めて、なんとなく居心地の良い気分を醸し出しす、

(でも決して退屈では無いし、飽きさせない)

味わい深い系の映画も悪くないな、と思いました


もう一度観たい映画です




それにしても劇中流れていた screamin jay hawkins のこの曲がとってもカッコいい!

" Hong Kong "






思わず映画を止めて、なんという曲か探してしまいました


彼は生涯に6回結婚し、婚外の子どもも含めると、57人の子どもがいたそうです

隠し子が1人見つかって叩かれている人を見ると、しっかりねーと思いますが、

57人もいるとなると、カッコイイ!!と思ってしまうから不思議

なんでも続けると、その人のスタイルになるからか?  スタイルのある人はかっこいい

後年の夢は「自分の子どもたち全員と連絡をとること」だったそうです


顔も好きだわ!

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見えない方が幸せなこともあるし、

嘘の方が良いときもある



センスがよくって滋味深い映画です

脚本と合わせてぜひ!
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by 96770 | 2013-06-23 20:39 | シネマテーク

NYギリギリ生活ガイド 著 徳井寛


新しい旅行の楽しみとして、次回は旅行後にガイドブックを作りたい

という訳で、NY旅行に向けて各種ニューヨークガイドブックを研究中

読んでためになって、しかも面白いのはコレ!



『NYギリギリ生活ガイド』

  著 徳井 寛


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2001年出版につき、情報としてはもう古くて役に立たない部分が多い

しかし、ここに書かれた精神は不滅

読み物として楽しめるガイドブックです


ガイドブックといえば、流行のスポットを押さえた賞味期限1年の物が多い

それはそれで必要なのですが、出来れば読んで楽しめるものが作りたい


この本は、行間から作者の人柄の良さがにじみ出ていて、

文章には肩の力が抜けたユーモアがあり、

下世話で人間臭い生活密着型なところが古くなるとも読むに堪える点です



ガイドブック作りの参考に最適

何より情報量が凄い

これだけの内容を楽しく明快にまとめた作者には脱帽

NYガイドってキラピカ系が多いので、ギリギリ派にはありがたいです

「NYに住んでる俺」自慢じゃないところもセンスが良い





ちなみにPARISガイドで不動の1位は、黄色い表紙でお馴染みの『パリのルール』

こちらも、もう古くなりましたがいまだにパリに行く前は目を通す老舗

書き手のテンションがなんともお洒落でオススメです




ガイドブックを作るつもりで読むと、それぞれの工夫が見えて来ます

何事も、自分も作るというつもりで関わるとまた違った見方で楽しめますね
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by 96770 | 2013-06-22 12:15 | 書店

面白そうな映画発見



予告編が洒落てる!


音楽クライムムービー (そんなジャンル聞いたことない!)

『サウンド・オブ・ノイズ』







被害者を打楽器にするって、不謹慎ギリギリのお洒落ですね!


関西では9月ごろには上映予定のよう

お楽しみに!
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by 96770 | 2013-06-19 22:40 | シネマテーク