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神秘の国ブータンから初めて映画がやってきた!



「神秘の国ブータンから初めて映画がやってきた!」

のキャッチフレーズに惹かれ、観ました


『ザ・カップ 夢のアンテナ』

ヒマラヤ山麓にあるチベット仏教寺院を舞台に、

サッカー好きの少年僧たちがワールドカップをテレビ観戦するため奮闘する物語


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監督はチベット仏教の高僧

登場人物も本物の少年僧たち

中国政府の弾圧の影響が見えますが、そこは主張されません

それよりも日常生活をそのまま、その中の人が撮っているというのがポイント

始終ほのぼのとした映画です




僧院の生活というものに馴染みがないため、

信仰心に厚く厳しくて厳格な生活なのだろうと勝手に思っていました。

でも、お祈りの最中にこっそりふざけあったり

いっつも居眠りしている僧侶がいたり

夜中に抜け出して、近所までサッカーの試合を観に行ったり


仏教修行をしている人たちに対し、

俗世とは別の世界で生活している人という印象を抱いていましたが、

意外と俗っぽかったり"普通"なんだなーとかんじました




主人公のウゲン君が可愛い!

小さくて憎たらしいかんじ

表情が豊かで、顔自体が可愛い過ぎないのが良い味出してます

ブータン版、『ともだちのうちはどこ?』といった趣きです

仏教僧の服を脱ぐとランニングには

RONALDO

の文字!




話の本筋以外にもお祈りの様子や食事の様子など興味深いものがたくさん

バター茶が美味しそう!

インドに行ってから地域密着型の飲み物に大変興味があります

映画のなかで度々出て来るバター茶

名前は聞いたことがありましたが、見たのは初めて

筒状の入れ物と棒で作っているシーンもあり、

文化的好奇心もそそられる映画でした


他にも興味深かったのは、バター茶に白い粉を山盛り入れているシーン

どうやらこれは大麦を炒った粉をバター茶でこねて団子にして食べるものだそうです

はったい粉好きの私にはたまりませんでした




バター茶に興味のある方は必見!
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by 96770 | 2012-12-28 12:50 | シネマテーク

カプリコン1



『カプリコン1』

宇宙開発をめぐる陰謀を描くSFアドベンチャー!


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前半戦はうとうとしつつも、

後半戦、一気に加速

自身の野望のため宇宙飛行士を生かしてはおけない科学者

逃げる宇宙飛行士

火星着陸の裏に政治的陰謀を嗅ぎ付け、命からがら事件の真相を追う記者

三つ巴の攻防戦

宇宙ではなく、

地球を舞台に繰り広げられるめくるめく陰謀アドベンチャーです



虚偽の"事実"がねつ造されて行く過程と人間心理の

一例を知るのにもってこいの一本

事実ねつ造に至るケロウェイ博士の心情にリアリティがあります

私たちが信じていることや、毎日ニュースで流れていることにも

誰かの目的の為、意図的に改ざんされた出来事が混ざっているのでしょうね

そのすべてを暴いていくことは、

一個人が日常生活をおくる上での差し迫った問題ではないかもしれません

が、事実だと思っていることも真実ではないかもしれないという視点は

常に持っていたいものです





この映画、NASA全面協力の下撮影されていたのですが、

試写にて映画の全貌が分かると一転、NASAは一切の協力を拒否したことで

おなじみだそうですよ




果たしてアポロは月に行ったのか
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by 96770 | 2012-12-28 11:45 | シネマテーク

はつ恋



ツルゲーネフの

『はつ恋』

読みました

ある男性が自分の初恋を語る物語


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予備知識はそれだけでよかったです

裏表紙のあらすじを読んでしまったのが最大の敗因

このお話の肝心要一切を解き明かしてしまっているあらすじ

これから読まれる方は、ぜひ、あらすじを読まないでいただきたい






なにかが起こりそうな予感が初めから、すーっと続き、

突然何かが起こり(しかしそれは漂わせるだけで、はっきりとは書かれない)

そしてまた、すーっと終わっていく

そんなお話
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by 96770 | 2012-12-28 10:45 | 書店

subTED



おすすめのiPhoneアプリの紹介

『subTED』


TEDとは、

ideas worth spreading(広める価値のあるアイデア)

というスローガンの下、アメリカのカリフォルニア州モントレーで

年に一回、講演会を主催しているグループのこと

講演の内容は、学術、教育、デザイン、芸術、エンターテイメント、社会活動など多岐に渡り、

講演者も有名人(例えばU2のボノとかアル・ゴアさん)から

素晴らしいアイデアをもった無名の方まで様々

日本でも“スーパープレゼンテーション”として知られています




subTEDは、そんな素晴らしいスピーチを字幕付きで見られるアプリです

しかも無料!

まずは日本語字幕で観ます

2回目は英語字幕で観ると、なんだか英語がわかる気分になって愉しいこと請け合いです




アイデアが素晴らしく、知的好奇心が刺激される毎日です

そしてウィット

知的な方はジョークもお上手

文化の違いで分からないジョークもありますがそれも勉強になりますね





取り急ぎ、最近特に面白いなあとかんじたスピーチをご紹介しておわります


Larry Smith; Why you will fail to have a great career
ラリー・スミス あなたに夢の仕事ができない理由


Ken Robinson says schools kill creativity
ケン・ロビンソン 学校教育は創造性を殺してしまっている


アルベルト・カイロ 人にはクズなどいない


ジョン・ロンスン サイコパス・テストへの奇妙なこたえ





一本のスピーチが、私の人生を変えました

なんて言うのも素敵
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by 96770 | 2012-12-20 00:59 | 書店

THE BIG ISSUE JAPAN



最新号 205号の表紙は奈良美智さん!

特集はファーストピープルの贈り物

(ファーストピープルとは先住民のこと)

いかがでしょうか?



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BIG ISSUEのご紹介

ビッグイシュー本誌より引用させてもらいます

〜ビッグイシューは、ホームレスの人々に収入を得る機会を提供する事業として、

 1991年に英国ロンドンではじまりました。ビッグイシューを創設し、その基礎を

 つくったのはジョン・バードです。

 雑誌販売者は、現在ホームレスか、あるいは自分の住まいを持たない人々です。

 住まいを得ることは単にホームレス状態から抜け出す第一歩に過ぎません。そのため、

 住まいを得たホームレスの人でも、必要な場合にはビッグイシューの販売を認めています。

 最初、販売者は、この雑誌10冊を無料で受けとり、その売り上げ3000円を元手に、

 以後は140円で仕入れ、300円で販売し、160円を彼らの収入とします。

 販売者全員が行動規範に同意し、顔写真入りの販売者番号の入った身分証明書を

 身につけて雑誌を販売しています。

 販売者のマナーなどにご不満やご不審な点がありましたら、ビッグイシュー日本まで

 お問い合わせください。その際には、販売者番号もあわせてお知らせください。〜



こんな仕組みの雑誌です

とても良い仕組みだと思いますが、日本での認知度はまだまだ低いようです





この雑誌を読んで素晴らしいなあ、と関心する点は

内容が充実していて面白いということ。これは大事!

たとえばフェアトレードの商品や、エコ商品、

発展途上国の方の手仕事の商品など、活動自体は素晴らしいのですが、

デザインや内容で欲しいと思うものが少ないというのが私の実感です

(ピープルツリーのチョコレートは味もデザインも好き!)

で、ビッグイシュー

魅力は豪華なハリウッドスターの表紙とインタビューだけではありません

お気に入りのコーナーは

『連載 私の分岐点』

さまざまの分野の第一人者の人生のターニングポイントを

リレーインタビュー形式で連載しています

今は成功しているあの人の若い頃、葛藤や挫折

思いがけないきっかけで天職をみつけた話

若い人に読んでもらいたい




社会派な内容

日本国内のみならず、日本人にはあまりなじみのない国での

世界に、良き変化を起こそうとする活動についての記事がたくさん

この雑誌の視点が好きです

世界に視野を広がるきっかけにもなりますし、新しいアイデアを知ることが、

自分の生き方や地域に変化を生むきかっけにもなると思います
 



若い人や学生さんで購入する方が大変少ないそうですが、

就職活動中の学生さんには特におすすめの雑誌です

初めは販売者さんに声をかけにくいかもしれませんが、

ぜひ一度、買ってみてください

300円、充分満足の内容だと思います

一度購入すれば、声のかけにくさ、無くなると思います






毎月1日、15日発売!
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by 96770 | 2012-12-16 14:16 | 書店

なんにもないけどやってみた



渋谷109で働いていた生粋のギャル、栗山さやかさんが

世界放浪の旅に出る

アフリカでボランティアをする壮絶の日々を綴った一冊



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文章がすごく巧いと言う訳ではありません

しかし、率直で、見栄やてらいがなく

カッコをつけたり深刻ぶったり状況を故意に演出するようなところもない

見たことを見たまま書いているのが伝わる文章です

だから体に嫌味なくすっと入って来る

それだけに、想像を絶するアフリカの現状が

こんなこともあるんだと、どこか遠い自分とは関係ない話としてではなく、

リアリティーを持って迫ります






寄付についての考え方が変わってきました

続けられないのなら意味がない、とかお金を寄付するのでは解決しないとか

それはなにもしないための言い訳でしかありませんでした

一時の寄付でも、たとえ偽善であっても

やはりお金はすごく大きい

自立を支援するというのが良いと思いますが、

生まれたときから栄養失調だったり

家も家族も無く10代はじめで体を売る以外生きていく方法がなかった子には

とにかく安心して寝られる場所や、その日の食事が必要で

そのためにまずは寄付が役に立つのだと思いました

今の世界の仕組みの中で生きていくには最低限のお金が必要不可欠だし、

日本にいると意識が薄れていきますが

その最低限のお金がない人が本当にたくさんいるんだろうなとかんじました

エチオピアの現状は、想像以上に深刻でした

そして寄付をすることは意思表示にもなるのではと思いました

誰も自分たちの活動に関心が無いと感じることはすごく辛いのではないでしょうか

僅かでも寄付をすることが、「私は関心を持っています」

ということを伝えることになれば少しは良いのではないかと思います

そして寄付ということが日本でももっと気軽な行為になればと思います





この本を読んで自分に対して悲しかったのは、正直に

私にはここに行って、栗山さんのように活動するのは無理だ

と思ってしまったことです

しかし、誰にとっても現地で活動することが最善の方法であるとも思いません

現地に行くことが、力を生かして状況をよりよくできる方法の人もいれば

お金を稼ぐのが得意な人は、お金を寄付することで大変な力になりますし、

方法はひとつではない

自分もなにか自分を最大限に生かしながら世界を良くする変化になりたいです







栗山さん、芯の通った人

アルバイトでも仕事でも

なにかを真剣にやったことのある人は強いなとかんじました








あなたにも、読んでもらいたい一冊
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by 96770 | 2012-12-15 21:23 | 書店

夜の来訪者


『夜の来訪者』  著プリーストリー

若い娘の婚約を祝うバーリング家

そこへ一人の警部がやって来て、ある女性が自殺したことを告げる

一転、なにも関係が無いと思っていた女性の自殺と

一家の関係が次々と暴かれていく…



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凄い、これは掛け値無しに極上の一冊です



息をつかせぬエンターテイメント

逆転に次ぐ逆転

しかしただただジェットコースターみたいな、

楽しいがそれだけというミステリーではない

普遍的な、他人事とは決して言えない浅ましさ、

着飾った奥のにある取り返しのつかない愚かさを

コンパクトな構成で、胸が痛くなるほど見せつける




シンプルで無駄が無い

余計にストレートに響きます




ちょっとした(と本人だけは思う)考え無しの行動が

人の人生をこんなにも左右するかもしれない
 





興奮と深い余韻の一冊
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by 96770 | 2012-12-10 23:34 | 書店

book246  南青山



『旅』をテーマにした本屋さん

TRANSITのバックナンバー(お店の人たちの私物)が置いてあり、

ゆっくり見せてもらえます

売り物ではないけれど、インド号が見れて嬉しい



こじんまりしていて良いかんじ

店員さんのかんじがすこぶる良いので

本の数がちょっと少ないけれど好感度の高い本屋さんでした



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by 96770 | 2012-12-09 17:47 | 書店

海と毒薬




『海と毒薬』

遠藤周作


小心者であるからに良心的でもある医学生と

生体解剖の話



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はじめて読む遠藤周作

名前が通っている方って、堅い文学的なかんじ?

と思っていると、なんのその

思いがけずさらさらと進み、

淡々と、登場人物たちの葛藤を本の外側から眺める小説でした

古さはなく、読後になんとなく東野圭吾が浮かびました





手術のシーン

骨を切るポキッという音

手術にからむ院内の権力闘争

手術はしたくないなと言うのが読んで一番の感想です
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by 96770 | 2012-12-09 14:16 | 書店

ムーン・パレス




ムーン・パレス  著ポール・オースター


アメリカの青春小説

キーワードは、“月”


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なんといってもポール・オースターの表現に魅了されました

一瞬について、畳み掛けるように言葉を重ねる

すると大体表現過多になってこちらとしてはしらけてしまうもの

ところが言葉が重なるごとに、理解と納得が広がるのです

ポール・オースターすごいなあ




そして若さ

自分とはまるで違う特殊な状況下のお話なのに、

これは確かに自分のことかと痛々しく共感してしまう

きっと誰もが人生で通過するところなんでしょう

絶品の青春小説と言われる所以は、こういうところなのだろうなと思いました



ふとしたきっかけで絶望に突き落とされる感じ

巧い



でも生々しさに沿って

空想や誇大妄想、謎や暗示の神秘な空気が混ざっているところが好き



膨らんだり縮んだり回り込んだり

往々にして振り回されがちなのですが、それでも吸い込まれるところに

作者の表現力の確かさと独自の惹き付ける力をかんじます






久々に、世界に捕まりました

私の、小説を読む幸せは、

この世界でない違う世界に束の間入り込む心地よさ

そして本を閉じた瞬間に一気に現実世界に戻って来る気怠さ

この落差があればあるほど、

長距離を走り終わった後のような清々しさが味わえるところ







良い小説でした
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by 96770 | 2012-12-09 12:46 | 書店