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読書/映画鑑賞 ふりかえり

最近、読む本どれもが面白く、見る映画どれもが面白い。

なかなか追われてブログに書けない日々。

面白過ぎるというのも難点です。


この辺りで一通り総まとめを。




①今一番おもしろい、四方田犬彦さん

『ひと皿の記憶 食神、世界をめぐる』

食と記憶にまつわるエッセイ集

この文庫本を常にカバンに入れ、移動中に読んでいる

まずは「バスティーユの豚」をご一読くださいませ

こんなにかっこいい豚肉の話、始めて


決して自己のアイデンティティを崩さない牛肉、

強烈な個性を持った羊や鴨、

万事において控えめな鶏、などなど数多ある肉類の中で

他の追随を許さない豚の卓越性

「もし欠落があるとすれば、その欠落ゆえにその肉は卓越しているのではないか」

と語る四方田さんの筆力と食い意地、ユーモアと深い教養に脱帽です

非常に面白い

含蓄豊かな話とは、こういう話ではないでしょうか



食と民族と記憶をめぐる社会的な一説「テルアヴィヴのファラフェル」など

一見、食べ物をめぐる徒然なる書き物のように見えて、

新しいものの見方を教えてくれる

こんな面白いエッセイを書けたら楽しいだろうなあ!



さらに、同筆者の『旅の王様』も併読中

こちらは単行本なので自宅常駐

外でも内でもすぐに四方田犬彦著書を手に取れるよう万全の体制で挑んでいます

この本は、旅好き必携の魅惑の書

「貧乏旅行について」の是非、

「外国で日本人を見かける」ときの複雑な気持ち、

「寝台車の愉しみ」など身近なトピックスを

知的に分析してくれる(でも決して衒学的に陥らない。)

本当に知的な人はいつもすっと惹き込んで、

分かりよい言葉で導いて、いつの間にか森の深くまで連れて行ってくれて

誰にでも新しい景色を見せてくれる

本を閉じた瞬間、思いがけず深く潜っていたことに気付き、

とても爽快で気持ちの良い本です




すでに100冊以上著作があるようで、

このままではしばらくハマってしまいそう

危険です



②『<映画の見方>がわかる本 「2001年宇宙の旅」から「未知との遭遇」まで』 著/町山智裕

映画の解釈を講釈する映画本ではなく、

制作秘話や原作、監督や関係者のインタビューなどから

当時の歴史的背景を元に、

「なぜこの役者が選ばれたのか」

「なぜこういうストーリーの映画が生まれたか」

「どうして続編が作られたのか」などなど

裏ネタ満載で解説してくれる


町山さん個人の解釈を押し付けるというより、

情報通から裏話を聞いているかんじで愉快です

『2001年宇宙の旅』がづっと頭にひっかかり、

胸に詰まって落ちつかない方、この本を読めば

一先ずの着地点を見つけられるハズ


この本とともに『フレンチコネクション』を観てみたら、

あまりにも世知辛いリアリティを描いたこの映画の

すごさがよく分かります


背景から映画を探る、面白い映画の見方を教えてもらいました



③『アンダーグラウンド』 監督/エミール・クストリッツァ

旧ユーゴスラビアを舞台にした、壮大で美しく、陽気で物悲しい映画


ビビットなオープニングから、ほろりとするラストまで

全編に渡るジプシーブラスの音楽がとにかく素晴らしい

明るいのに哀愁漂う旋律が物語にすごくあっている

iPhoneでリピート再生中


















④ペドロ・アルモドバル監督

『オールアバウトマイマザー』でノックアウト

この監督の映画が観たくて観たくて仕方なくなってしまう

ペドロ中毒状態

カラフルな画面とスペイン語の音にも魔力がありそう


半自伝的映画『バッドエデュケーション』は、

ジョン・レノンが歌を作って自分自身を治癒していたのと

近いものを感じました

決して楽しい映画ではありませんが、綺麗


ではDVDプレーヤーの横で『ボルベール』が控えているので

今日はこの辺で…






〜おまけ〜

映画『オールアバウトマイマザー』より

着飾って出かける、明るいゲイ・アグラードのかっこいいセリフ



アグラード「シャネルは女を美しくするのよ!」

マヌエラ「それホンモノのシャネル?」

アグラード「まさか!世界がこんなに飢えているっていうのに。私の本物は心とこの体だけよ」
by 96770 | 2014-09-30 23:35 | 日記
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