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フランスの倫理観にギョッ『海辺のポーリーヌ』


15歳の女の子ポーリーヌと、いとこの姉マリオンの

バカンスと恋の話


『海辺のポーリーヌ』 監督エリック・ロメール


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いや〜驚いた

フランスの恋愛における倫理観には度肝を抜かれる

日本とは常識が全く違う

凝り固まった考えがほぐされて面白い





すごく良いなと感じたのは、

男も女も平等に色恋に奔放なところ


日本じゃあこうはいかない

どうも日本は男性の浮気に鷹揚なのに、

女性の浮気には異常なほど厳しい風潮がある



その点、この映画のマリオンなんて素敵ですね

疑問を感じる点も多々ありますが、

じめじめしてなく、堂々としているから

観ていて楽しい




この映画の面白さは、会話


恋しちゃってる自分について、よくもまぁこんなに様々なバリエーションで語れるなあ

と感心してしまう


恋愛観も様々

愛の話となるとよく喋る


それを語る言葉の表現がいろいろで、

一見稚拙な言葉の中に、鋭い洞察力を感じる一言があったり、

言葉をこねくり回して何を言っているか分からなかったり

一様でないのが面白い




日本の会話は、一人が喋ったらみんなで同意し、

そこから派生する意見を述べていって

全員でひとつの方向に造り上げて行くものが多い

それに対してこの映画にあるのは

それぞれが主張して反論し合うことでお互いの考えを深めて行くタイプの会話


同意し合うことを前提として喋っていないから、

個人個人の味が出てきて軽くない

ついつい聞き入ってしまいます


フランスでは日常からこういう会話のやり取りをしているのでしょうか

そう考えるととても羨ましい



日仏の価値観の違いを観れて勉強になりました


日本の恋愛映画にありがちな、

やたらと耐え忍びたがる人がいないのと、

湿気がないのも大変心地良くおすすめです
by 96770 | 2013-12-16 17:45 | シネマテーク
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