「ほっ」と。キャンペーン

世論調査のアルバイトをしてみたら

時給が良くて座って出来る仕事

接客苦手だし電話ならちょっとましかも

と考えて、コールセンターのバイトをやってみたかった



物を売らなくてよくて、短期のお仕事を探していると

丁度良い、選挙についての世論調査バイトを発見

めでたく合格し、1日研修を終えた後、

遂にオフィスバイト初挑戦



オフィスカジュアルと呼ばれる服装に身を包み出社してみると

部屋一面に広がるのは、パソコンと電話器風の機械がのったオフィス机

ここはコールセンター業務委託会社なので、

ブースごとに様々な職種のセールストークが繰り広げられています




我々世論調査部隊はオフィス前方に陣取り、

まずは世論調査の仕組みをスーパーバイザーさん(リーダー的人たち)

に説明してもらう

これがなかなか面白い




まず今回必要な有効回答数は1000件

これを2日間で獲得します

しかし選挙対象の地域に、無制限に電話をかける訳ではありません

あらかじめランダムに選ばれた約3500件の電話番号にのみ発信する

その中には企業や店舗の電話番号、FAXのみの回線、使用されていない回線も

含まれているのですが、対象の電話番号を増やしすぎると

調査の公平性が損なわれるそうで、

統計学的に1000件の有効回答数を得るのに一番適切な数が3500件だそうです



さらに電話に出た人からのみ回答をいただいていると、

どうしても女性と老人が多くなってしまい、公平性が損なわれてしまう


幅広い年代の方から回答頂く為に、

まずは電話に出て頂き、ご家庭の有権者数を聞き、

その人数をコンピューターに入力すると、

そのご家庭で年齢が何番目の人に回答頂くか

コンピューターが決めるという仕組み

そのため例えばコンピューターが選んだ対象者が不在の場合、

対象者の帰宅時間を教えてもらい再度こちらから

電話をかけなくてはなりません

対象者が不在なら電話に出てくれた人に回答を頂く、ということは出来ない決まり


こうして幅広い年齢層の方から回答を頂けるようになっているのです



よく出来てるなあ



さらに今回の場合、一本の電話番号に発信してよい回数は6回まで

と決まっている

相手が出なくても発信1回にカウントされるので、

こちらはなるべく人が出てくれそうな時間に集中して発信しなくてはなりません


午前中や夕方〜夜はスタッフを増員

お昼過ぎや3、4時頃は不在の家庭が多いのでスタッフを減らす

さらにスーパーバイザーから1時間ごとに全体での目標有効回答取得数が掲げられ、

スタッフは15分毎に、各自発信する件数が指示される


夕方は各自ストップが出るまで無制限に発信しますが、

お昼過ぎは15分毎に各自6本、というように緩急つけて

発信数を調整する



こうして2日間でみんなで3500×6回電話をかけ、

そのうち1000人から回答を頂けるよう奮闘するという訳です





1件回答を得るとスーパーバイザーからお菓子1個と

あらん限りの賛辞を頂き、

1時間毎に「皆様、○時台は目標有効回答数○○件を突破しました!

1000件まで残り○○○件です!みんなで力を合わせて

最後まで頑張りましょう!」と鼓舞される


ホワイトボードに“残り1000件”と書いているのが、

どんどん減って行くのは見ていて楽しい



目指すのが1000件だけだとしんどくなりそうだが、

1時間毎に、15時台はみんなで16件など、

達成し易い小さな目標が見えるように掲げられているのは、

やる気を削がさない工夫だなあと感じました





世論調査のやり方は、

ランダムにコンピューターが電話番号を選び発信し、

後はコンピューター画面に表示される指示に従っていくだけ


留守番電話になると画面で"留守番電話"を選択

コール音のみで繋がらないときは"コール音"を選択

電話が繋がると、画面に挨拶文が表示されるので読み上げ、

上手くいくと有権者数を教えてくれるので、入力

調査対象者が在宅中の時は晴れてアンケート開始

十数問の質問に答えていただきそれぞれパソコンで回答をセレクト

これで無事に終了


対象者が不在の時はアポイントメントを取る

アポイントメント時間を入力しておくと、

その時間にスタッフの誰かが発信することになります


でもこんな風に上手く行くことは稀

一番多いのは誰も出ないこと

次が怒られること、嫌がられること、

世論調査と言うと何も言わずに電話を切られること

そういう時は、相手の様子を画面のメッセージ欄に記入しておく

するとまた何時間後かにスタッフの誰かがその電話番号に発信することになります






初めは緊張しますが、慣れれば電話嫌いでも

1日で200件程電話をかけれるようになります

すごく調査に協力的な方もいれば、

初め非協力的でも泣き落とせたり



そんなこんなで数字がどんどん減って行くのを眺めていると、

なかなかやる気が焚き付けられる

オフィス仕事で頑張れる人が快感を得るのはこういう時なんだろうか




こうして調査1日目は無事終了





そして魔の2日目が始まる



案の定、怒られる回数が増えてくる

2日目に電話をかけるのは、大体昨日断った人の家



なんせ断られても最大6回電話をかけるので

段々と相手の怒りが積もって来るのも無理の無い話


もちろんどんだけ相手が怒っていようと6回電話する訳ではありません

"拒否ワード" と言うのが決められており、

特定の言葉で憤怒の気持ちを表現した方には拒否①が付き、

拒否②がつくと、そのお家には発信しなくなります

かなり怒っていても2回は発信するというのは恐ろしい




電話をかける前に、前回電話をかけたスタッフが

残したメッセージを確認するのですが、

2日目になると「かなりお怒りの様子」とか

「2度とかけてくるなと怒られガチャンと切られる」

なんて伝言が残されている



恐々と電話をかけると怒られガチャン



怒られるのは気にならないけれど、非常に申し訳ない気持ちになって来ます

ひとつの世論調査を達成する為に

こんなにたくさんの人から怒りを買っていたとは。



中には日頃の鬱憤をここぞとばかりに発散しているのでは?

という人もいますが、

めんどくさいと思う人、答えたくない人の気持ちもよく分かる


一方で、世論調査をした方が良いという気持ちも分かる

世論調査自体が悪いこととは思わない




全然答えてもらえなくなってきて、

疲れたなーと思って回りを見回してみると、

机の上にお菓子の山が出来ている人が何人かいる



眺めている間にもどんどん有効回答を得てゆく人がいる



後ろでは、怒られてしまい困った女の子が

スーパーバイザーを呼ぶ

スーパーバイザーが平謝りしつつ世論調査の方法について

しっかり説明すると、そのまま最後まで回答してもらえていた



電話のトークで相手の心を掴むことに長けた人が話せば、

どんなに怒っていた人からでも、回答を得られる様子に心底感心しました


でも周りには私同様全然回答が得られない人もいるようで、

そう言う人が電話すると、

相手の怒りをとんでもなく助長する上に、こっちも疲れてしまって良い迷惑

警察呼んだぞ!と怒られた方もいてびっくり




もう世論調査のバイトはしない方が社会の為だな、と思っていると、

だめ押しがもう一発


調査時間残り2時間頃に遂に1000件達成

喜ぶスーパーバイザーのお姉さんたち

「やったー!1000件取れたね!」

「前回は後8件及ばずで残念だったもんねえ」


そして

「皆さん、1000件取れました!ありがとうございます!

皆様の頑張りのお陰で今回は無事にクライアントの要望に答えることができました」

などと祝辞を述べられる




1000件取れたってことに喜ぶ姿を見て,

そりゃあ嬉しいけれど、ただ数字だけを追うのはちょっとしんどいな、


その仕事の行為自体にやりがいや楽しみが見いだせるのではなく、

数字だけにやりがいを感じて働くには、


1000件の裏に隠れた大勢の方の怒りと罵り、

怒られた電話下手スタッフたちの傷心が

あまりに大き過ぎて私にはちょっと無理だなあ、と思いました




いろいろバイトをしてみると、

見える世界が広がって面白い



電話に自信がある方は、ぜひ1度世論調査コールスタッフお試しあれ

お菓子がたくさんもらえますよ
[PR]
by 96770 | 2013-11-11 13:10 | 日記
<< 息子が女の子になると言い出した... 鳥になりたい『バーディ』 >>