「ほっ」と。キャンペーン

『子どものための哲学対話』




日経新聞から切り抜いている記事を見返すと、

哲学者、永井均さんの記事が多いことに気がついたので、

とりあえず一番簡単そうな著作を借りて来ました


『子どものための哲学対話』

  永井均 著


人間の言葉を操り、不思議なことばかり喋る猫ペネトレと、"ぼく"のお話



d0249678_22183076.jpg




おお!と思わず唸る対話が盛りだくさんでした

可愛い子ども向けの本だなんて侮れません

大体子ども向けの本には名著が多い

大の大人が、白けることなく、

年甲斐も無い夢や希望や大きな志を込めて書いてあるから。





この本で一番面白かったのは「ネアカ」と「ネクラ」の話

「ネアカっていうのは、根が明るいってことで、ネクラっていうのは根が暗い

ってことなんだよ。表面的な明るさや暗さじゃないよ。根だよ。

根が明るいってことがだいじなんだ。根が明るい人っていうのはね、

いつも自分の中では遊んでいる人ってことだよ。勉強しているときも、

仕事しているときも、なにか目標のために努力しているときも、

なぜかいつもそのこと自体が楽しい人だな。」

たったひとりのときでも?

「そうだよ。根が明るいっていうのはね、なぜだか、根本的に、

自分自身で満ちたりているってことなんだ。

なんにも意味のあることをしていなくても、ほかのだれにも認めてもらわなくても、

ただ存在しているだけで満ちたりているってことなんだよ。

それが上品ってことでもあるんだ。

根が暗いっていうのはその逆でね、なにか意味のあることをしたり、

ほかのだれかに認めてもらわなくては、満たされない人のことなんだ。

それが下品ってことさ。」


こんなに予想外なのに腑に落ちる回答に出会えること、なかなか無い

下品と上品の違い

最近よくあるアーティストとか若手起業家に感じていた胡散臭さは

まさにこの下品さから来るものだったのだなあと、しみじみ

この話の挿絵も痛快

上品でありたいです




知性と知識と年月に裏付けられた本当の明快さ

さらに明快だけど、新たな疑問と考える余地を残す




哲学者のエッセイやちょっとした本って面白いものが多くて

哲学者いいなあ〜哲学は面白いなあ〜と思っていたのですが、

さて、ニーチェだサルトルだ、唯物論に形而上学だとなると、

書物を開いてもてんでピンとこない


哲学って憧れるけどちょっと違うかな〜と思っていたら、

まさに私の考えていた"哲学"という言葉の概念にぴったりの表現が

この本に書かれていました



猫のペネトレ曰く

「問いそのものを自分で立てて、自分のやりかたで、

勝手に考えていく学問のことを、哲学っていうんだよ。」



私のやっていきたいことは、これだ!

自分の頭の中にぼんやりと漂っているけれど、言葉になっていないことを

言葉にしてすっと差し出してもらった気分でとても気持ちの良い読書体験になりました

一般的な所謂学校で学ぶ学問としての哲学ではないけれど、

やっぱり私のやりたいことは哲学でした


勝手に立てた問いの、よりよい答えを見つける思考力と知識と経験を身につけていきたいです





「だいじなことは、自分で発見するってことなんだ。

もし自分でなにかが発見できたなら、それがほんとうの意味だったんだよ。

哲学っていうのは、そういうものなんだ。」
[PR]
by 96770 | 2013-08-20 23:23 | 書店
<< イングマール・ベルイマン三大傑... 本屋が消えて行く >>